ワイドスタンススクワット(バーベル)の効果
股関節を中心とした下半身の大きな筋肉を鍛えることができます。
足幅を広くすることで、より内転筋群(内もも)に大きな負荷をかけることができます。
通常のスクワットよりも前傾姿勢が少なくて済むため、股関節が固い人や初心者でも取り組みやすい種目です。
ワイドスタンススクワットのやり方
開始姿勢
・肩幅よりやや広めの幅でバーベルを握ります。
・肩甲骨を寄せて肘を上げることでバーベルを乗せる棚をつくります。
・バーベルを三角筋後部(肩の後ろの筋肉)より上、首の付け根あたりで左右均等に乗せます。
・足を大きく開きつま先を45度程度に外側に向けるようにします。
・視線は正面を向くようにします。
動作
・動作中は背筋を伸ばし腰や背中が丸まらないようにします。
・つま先と膝を同じ向きにしながら、しゃがむときに股を大きく開き立ち上がるときに股を閉じるようにします。
・足裏全体に体重がかかるようにして、つま先や踵が床から離れないようにします。
・しゃがむ深さは姿勢が崩れたり踵が浮かないようにしながら、可能なら太ももが床と平行になるまでしゃがみます。
呼吸
・一般的な呼吸法はしゃがむときに息を吸い、立ち上がる動作でスティッキングポイント(動作中で最も困難なところ)を通過するときに息を吐きます。
・トレーニング経験の豊富な方が最大に近い重量でエクササイズを実施するときは、バルサルバ法という呼吸法を用いることで適切な姿勢を保持しやすくなります。
・バルサルバ法はしゃがむときに息を吸い、立ち上がる動作に移るときに息を止めてスティッキングポイントを通過した後に息を吐きます。
・バルサルバ法を使用すると瞬間的に血圧が上昇し、めまい、急速な疲労、ふらつきなどのリスクが生じる恐れがあるため、実施者に心肺機能や呼吸器等に疾患がある場合は用いてはいけません。また息を止める際は1秒~2秒程度と瞬間的なものとする必要があります。
ポイント
・腰(重心)から動かし始めるようにすると、体幹や股関節周りの多くの筋肉が活動しやすくなるため効果的です。
※重心を意識することで得られる効果については「重心始動が動体視力・反応時間・動的バランス・筋力・心理面に与える影響」の記事をご覧ください。
主な使用部位と筋肉
・主に使用される部位は臀部・大腿部です。
・主に使用される筋肉は大殿筋・ハムストリングス・大腿四頭筋・内転筋群です。
その他
筋トレ全般の基本テクニックについては「筋トレする前に覚えよう!レジスタンストレーニングの基本テクニック」の記事で紹介しているのでこちらも併せてお読みください。
参考文献
1)Jared W. Coburn, Moh H. Malek. NSCAパーソナルトレーナーのための基礎知識 第2版. 特定非営利活動法人NSCAジャパン. 2013.
2)National Strenght and Conditioning Association. NSCA レジスタンストレーニングのためのエクササイズテクニックマニュアル 第3版. 特定非営利活動法人 NSCAジャパン. 2017.
3)Thomas R.Baechle, Roger W.Earle. ストレングストレーニング&コンディショニング 第3版. 有限会社ブックハウス・エイチディ. 2010.
4)ウイダートレーニングラボ. ウイダーストレングス&コンディショニング エクササイズバイブル. 実業之日本社. 2011.
5)特定非営利活動法人 NSCAジャパン. ストレングス&コンディショニングⅡ エクササイズ編. 株式会社大修館書店. 2003.
この記事を書いた人
トータルフィットネスサポート代表
齊藤 登
2004年に栃木県宇都宮市にて有限会社トータルフィットネスサポートを設立しパーソナルトレーニング、国民体育大会の帯同トレーナー、医療機関での運動指導、スポーツや医療系専門学校の講師、運動や健康づくりに関するセミナーの開催などを中心に活動しています。
NSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)ジャパン北関東地域ディレクターとして、日本におけるストレングス&コンディショニングの普及およびスポーツと健康に携わる専門職の育成にも力を入れています。
“お尻・内ももに効果的なワイドスタンススクワット(バーベル)の正しいやり方” に対して2件のコメントがあります。
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