ジムでダンベルを使ってインクライン・ダンベルフライのエクササイズを実施している男性
インクライン・ダンベルフライ
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インクライン・ダンベルフライの効果

胸上部の筋肉を鍛えることができます。

ベンチプレスとの違いはプレス系のエクササイズが上腕三頭筋にも負荷がかかるのに対しフライ系のエクササイズではより大胸筋にしぼったトレーニングが可能になります。

インクライン・ダンベルフライのやり方

開始姿勢

・インクラインベンチの背もたれを30~40度程度に調整します。

・ダンベルを親指を巻きつけてしっかり握ります。

・ベンチに仰向けになり後頭部・肩・お尻をベンチに固定し両足裏を床に着けます(5ポイントコンタクト)。

・肘を伸ばしてダンベルを肩の真上で手の平が向き合うように保持します(肘は完全に伸ばすのではなく若干曲げておきます)。

・手首は返さずに真っ直ぐに固定します。

・視線は正面を向くようにします。

動作

・動作中は5ポイントコンタクトの姿勢を保持します。

・常に手首を固定した状態で肘は若干曲げておきます。

・ダンベルをゆっくりとコントロールしながら、大きな弧を描くように真横に開いていきます。

・胸の最上部と同じ高さまでダンベルを下ろし元に戻します。

・手・手首・前腕・肘・上腕・肩をほぼ一直線上に保持します。

呼吸

・一般的な呼吸法はダンベルを上げる動作でスティッキングポイント(動作中で最も困難なところ)を通過するときに息を吐き、ダンベルを下ろすときに息を吸います。

・トレーニング経験の豊富な方が最大に近い重量でエクササイズを実施するときは、バルサルバ法という呼吸法を用いることで適切な姿勢を保持しやすくなります。

・バルサルバ法は開始姿勢で息を吸って止めたままダンベルを上げながらスティッキングポイントを通過した後に息を吐きます。ダンベルを下ろすときに息を吸います。

・バルサルバ法を使用すると瞬間的に血圧が上昇し、めまい、急速な疲労、ふらつきなどのリスクが生じる恐れがあるため、実施者に心肺機能や呼吸器等に疾患がある場合は用いてはいけません。また息を止める際は1秒程度と瞬間的なものとする必要があります。

ポイント

・お腹の中(重心)を意識しながら行うと姿勢が安定しやすくなるため効果的です。

※重心を意識することで得られる効果については「重心始動が動体視力・反応時間・動的バランス・筋力・心理面に与える影響」の記事をご覧ください。

主な使用部位と筋肉

・主に使用される部位は胸部です。

・主に使用される筋肉は大胸筋・三角筋前部です。

その他

筋トレ全般の基本テクニックについては「筋トレする前に覚えよう!レジスタンストレーニングの基本テクニック」の記事で紹介しているのでこちらも併せてお読みください。

参考文献

1)Jared W. Coburn, Moh H. Malek. NSCAパーソナルトレーナーのための基礎知識 第2版. 特定非営利活動法人NSCAジャパン. 2013.

2)National Strenght and Conditioning Association. NSCA レジスタンストレーニングのためのエクササイズテクニックマニュアル 第3版. 特定非営利活動法人 NSCAジャパン. 2017.

3)Thomas R.Baechle, Roger W.Earle. ストレングストレーニング&コンディショニング 第3版. 有限会社ブックハウス・エイチディ. 2010.

4)ウイダートレーニングラボ. ウイダーストレングス&コンディショニング エクササイズバイブル. 実業之日本社. 2011.

5)特定非営利活動法人 NSCAジャパン. ストレングス&コンディショニングⅡ エクササイズ編. 株式会社大修館書店. 2003.

この記事を書いた人

パーソナルトレーナー齊藤登

トータルフィットネスサポート代表
齊藤 登

2004年に栃木県宇都宮市にて有限会社トータルフィットネスサポートを設立しパーソナルトレーニング、国民体育大会の帯同トレーナー、医療機関での運動指導、スポーツや医療系専門学校の講師、運動や健康づくりに関するセミナーの開催などを中心に活動しています。

NSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)ジャパン北関東地域ディレクターとして、日本におけるストレングス&コンディショニングの普及およびスポーツと健康に携わる専門職の育成にも力を入れています。

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